ソニーは,同社の2009年第四半期決算発表会にて,ゲーム事業の今後の見通しを明らかにした。今期は2009年9月に発売した新型「プレイステーション 3」(PS3)の売れ行きが好調で,今期の新型機を含めたPS3全体の売り上げ台数は650万台となった(Tech-On!関連記事)。

 ただし,今のところPS3の価格はコストを下回る,いわゆる「逆ざや」状態だという。その割合は価格に対して6%台。PS3(120Gバイト品)の希望小売価格2万9980円から推定すると,2000円前後の逆ざやが発生しているもようだ。2010年度にこの逆ざやを解消する。「今年から来年にかけて15%ほどのコスト改善を行う。これで仮に(2009年度)と同じ台数(見通しで1300万台)売れれば,数百億円改善できることになる」(決算発表会に登壇した同社代表執行役 副社長でCFOの大根田伸行氏)。具体的には,例えばグラフィックスLSI「RSX」の製造プロセスを現行の65nmから40nm台へと移行する予定だという。

 なお,2009年9月に発表した新型PS3では,マイクロプロセサ「Cell Broadband Engine」を,従来の65nmプロセス品から45nmプロセス品に切り替えて,大幅に消費電力を削減した。これに伴い,冷却機構と電源モジュールなどを小型化して,内部構造を簡素化している(日経エレクトロニクス関連記事1同2)。