3次元CAD「SolidWorks」の次期版「2011」で実装予定の機能を米DS SolidWorks社が公開
米Dassault Systemes SolidWorks社は2010年2月3日,3次元CAD「SolidWorks」の次期版「同2011」で実装予定の機能の一部を公開した。同年1月31日から開催した「SolidWorks World 2010」で明らかにしたもの。(1)動作スピード向上,(2)図面機能の強化,(3)CG機能の強化,(4)配管作成機能などが主な内容。ただし「それ以前に,ソフトが安定して動くように信頼性の強化を図った」(DS SolidWorks社Product Management担当副社長のFielder Hiss氏)という。SolidWorks 2011の出荷時期は明らかにしなかったが,昨年と同様に2010年秋ごろとみられる。
動作スピードの向上については,複雑なモデルを再構築(リビルド)する際の計算負荷を軽減する仕組みを取り入れた。SolidWorksではモデルに対して変更を加えた際,モデル内で変更対象になったフィーチャとほかのフィーチャの関係を再構築する必要があるが,ほんの一部の変更でもすべてのフィーチャとの関係を計算し直すため,非常に時間がかかっていた。そこで,変更に関係のないフィーチャをユーザーが指定することで,そのフィーチャを再構築の計算から除外できるようにした。既にSolidWorks 2010では,フィーチャごとに再構築に必要な時間を表示できるようになっていたが,2011からは再構築に関係がなく,かつ計算対象にした場合に時間のかかるフィーチャを,マニュアルで計算から外すことができる(図1)。
断面形状に対して2次元の構造解析を実行する機能も追加(図2)。特に非線形解析を実施したい場合など,3次元モデルのまま計算を実行すると非常に時間がかかる。軸対象な形状の製品や部品などは断面形状に対する2次元解析で十分挙動を把握できることがあるため,それを容易に実行できる機能を追加した。
さらに溶接フィーチャの内部表現を改め,メモリー使用量を減らした。溶接フィーチャは,形状表現が複雑になることもあり,被溶接材とは別の材料情報を定義するなどの理由で,メモリー使用量が増えがちになるが,これを改善した(図3)。ソフト全体でもメモリーの使用方法を改善し,例えばSolidWorks 2010で約1Gバイトを必要としていたモデルを扱う際,SolidWorks 2011では460Mバイト分を節約できたという。コマンドの実行などで使ったメモリーを,確実に開放するなどの改良を図っており,これも動作スピード向上に寄与すると思われる。
データの共有時などに,アセンブリ内部の構造まで共有する必要がないときはデータ量を減らすため,外形だけを表現する機能も追加(図4)。取り付け穴など,共有の必要のあるフィーチャを指定すれば,そのフィーチャは消さずに残せる。
図面作成・編集機能では,寸法の一括整列機能を強化した。3次元モデルの寸法を図面に自動で転記したものと,ユーザーが2次元製図機能で記入した寸法の両方を対象として,平行する複数の寸法を等間隔で整列できるようにした(図5)。等間隔のまま,間隔を広げたり狭めたりすることも可能。穴の表を作成する機能では,mmとinchの両者を併記するようにした(図6)。製造業の国際化が進み,どちらの単位を使う国でも製造しやすい図面にするための配慮する目的。
CG機能の強化では,レンダリング結果と3次元モデルの連携を強めた。3次元モデルで質感の定義を変更すると,その結果がただちにレンダリング結果に反映される。また,モデリング画面でモデルの向きを変えると,レンダリングも同じ向きに自動的に更新される(図7,図8)。スタンドアロンで動作していたツール「PhotoView 360」をSolidWorks 2011に統合する。
配管作成機能では,パイプを枝分かれさせる位置や枝分かれの向きを容易に決められるように,画面に物差しや分度器のような目盛りを表示する(図9)。配管設備を想定して,その中を移動しながら見ていくウオークスルー機能も強化。進行方向,カメラの方向などの制御を簡単に操作できるようにする。
このほか,設計内容のデザインルールチェックを,あらかじめ定めたワークフローに沿って自動実行するため,PDMツール「Enterprise PDM」との連携強化を図った。細かいモデリング機能の改良では,回転フィーチャの終点を面で指定する(その面に当たるまでの回転フィーチャを作成する)機能も加える(図10)。
SolidWorks 2011ではクラウド・コンピューティングへの対応も予定している(関連記事)。























