Tech-On!は無料登録制の技術情報サイトです。ぜひ会員登録してこの記事の全文をお読みください。 Tech-On!無料登録の説明ページ初めてご利用の方:無料会員登録へ登録に関するご質問登録に関するご質問学生の方:無料会員登録へ ログイン・ページに進むIDやパスワードをお忘れの方は…Cookieが使えない状態になっていませんか?
お薦めトピック
- AD -

【EDSF 2010】大喜利でFPGAの泣き所あらわに…

2010/02/01 12:08
宇野 麻由子=日経エレクトロニクス
Facebookでシェアする
Twitterでつぶやく
印刷用ページ
図 FPGA大喜利に登壇した専門家。回答はモデレータの佐藤氏が「独断」で採点,金子氏が優勝した。
図 FPGA大喜利に登壇した専門家。回答はモデレータの佐藤氏が「独断」で採点,金子氏が優勝した。
[クリックすると拡大した画像が開きます]

 集積回路や電子システムの設計技術をテーマにしたイベント「EDS Fair 2010」併催の「第17回FPGA/PLD Design Conference」では,「FPGAはどう使うのが賢いか? 〜FPGA大喜利,設計のコツ教えます〜」と題した特別セッションが開催された。今回の企画は,FPGAの設計のコツをユーザー,基板設計,ツール,デバイスの各専門家がテレビ番組の大喜利風に紹介しようというもの。専門家らしく,FPGAを使い込んでいるからこそ分かる,FPGAの課題とその回避策が披露された。

 登壇した専門家は,FPGAのユーザー小熊博氏(宮城県産業技術総合センター 機械電子情報技術部 情報技術開発班 研究員),FPGA搭載基板の設計者金子俊之氏(トッパンNECサーキットソリューションズ 設計部),FPGAの設計ツール・ベンダー藤野博信氏(日本シノプシス 営業本部),FPGAの販売代理店大山浩司氏(アルティマ 技術統括部 開発企画課 課長)の4人。仕切り役のモデレータはFPGAユーザーでもある,コニカミノルタテクノロジーセンター システム技術研究所 アーキテクチャ開発室長の佐藤幸一氏が務めた。

発熱や開発期間に難


 最初のお題は「FPGAとかけてなんととく?」。「千利休――サドウ(茶道,差動)が得意です」といった回答もあったが,「四川料理――体の中から熱くなります」「人気のレストラン――注文してから時間がかかります」と,発熱量が大きいことや意外に開発期間が長くなってしまうといった,FPGAの欠点を挙げた自虐ネタが連発された。

 こうした欠点があるとしても,FPGAには利点も多い。二つめのお題「FPGAのメリットは?」との問いかけには設計変更が可能である点を挙げる回答が多かった。例えばFPGAの定番(1)機能を変更できる点のほかに,(2)出力バッファを調整できる点,(3)パラレル・インタフェースのピン・アサインを変更できる点が挙がった。(1)については,例えば液晶テレビのパネルに接続するインタフェース回路部分にFPGA使うことで,パネルやテレビの仕様を仕向け地に合わせることができるとする。また,市場出荷後の機能強化も実現できるとして,STBの機能(コース)変更に使う例が紹介された。(2)や(3)は基板のコスト削減につながる。必要なバッファ能力が分からない場合でも,バッファを強めにしてダンピング抵抗を用意するという措置を省いたり,メモリに合わせたピン・アサインに変更することで実装基板の配線層を削減したりできるためである。

 FPGAは低価格品が登場したことで,民生機器での採用が増えた。小熊氏は「ある工場を訪ねた際,2003年の時点では8ビット・マイコンを使っていたが,2009年にはCyclone(米Altera Corp.の低価格FPGA)を多用していた」と述べた。マイコンとグルー・ロジックなど,メモリ以外の論理回路を置き替えたようだ。このほか,製造中止になったASSPの代替品などにFPGAを使う場合が急増しているという。

盲点はコンフィギュレーションのクロック


 「FPGAが動かないときにすることは?」というお題に対する回答では,さまざまな原因があることが浮かび上がった。その中でも興味深かった原因が,コンフィギュレーションのクロック信号波形の乱れである。「最近は,このトラブルが多い」(アルティマの大山氏)。FPGAのクロックを駆動するのに必要な電流は大きい。一つのソースから複数のFPGAにクロックを分配する場合,波形がなまりやすく,信号の反射も起こるので,コンフィギュレーションに失敗することが多いという。「クロック信号は数十MHzと周波数が低いからといって安心せず,シミュレーションで確認したり,ダンピング抵抗や終端抵抗で対策できるようにしたりする方がよい」(大山氏)。

 基板設計の立場から,金子氏は配線層の省略し過ぎを警告した。配線層数を減らすために電源層を用意しない場合,信号層の空いている部分に電源線を配置することになるので電源線が長くなる。すると電圧低下により電源が不安定になる可能性が高まる。また,接地層を省くとEMIでNGとなる場合もあるという。

 これらの例のように,FPGAが動かないといっても,原因はFPGAの内部ロジックではなく基板にある場合も多い。藤野氏は開発環境を提供するツール・ベンダーの立場として「原因の切り分けを容易にするためにも,ASIC化するRTLの検証が目的ならば,基板としての動作が保証された標準評価ボードを使った方が,効率がいい」とした。ただし,FPGAが動かなかった場合,当初から不具合の心当たりがある場合も少なくないようだ。つまり,問題があるかもしれないと予想しながらもシミュレーションなどをしないままに試作,動作させた結果の不具合がかなり多いということだ。「まずはシミュレーションによって確認してください」(藤野氏)。

「温度で色が変わる」に人気


 「こんなFPGAがあったらいいな」というお題に対して,熱に関する話題が幾つか上がった。小熊氏は「ファンやヒートシンクがなくても動くFPGA」を,金子氏は「温度が上がると色が変わるFPGA」を挙げた。試験中に高温になったFPGAに触ってしまうことがよくあるようだ。会場からは,FPGAだけでなく基板でも実現して欲しいという声が上がっていた。このほかにも,小熊氏は
・マイコンと同様,A-D変換器やD-A変換器を搭載するもの
・回路規模が数万ロジック・エレメント(LE)と大きく,端子数は200個程度と少ないもの
・100MHz以上で動作するアナログFPGA
・数万LEを実装しても500MHz程度で動作するもの
といった,マジメな回答を挙げていた。

Tech-On!プレミアム

Tech-On!プレミアム会員なら、左の雑誌記事が毎月30ページまでダウンロードできる!(詳細はこちら

イプロスの製品トピックス
とても参考になった 8
まあ参考になった 4
ならなかった 0
 投票総数:12
コメントに関する諸注意
(必ずお読みください)



コメントの掲載は編集部がマニュアルで行っておりますので、即時には反映されません。しばらくお待ちください。
記事中に誤りなど,編集部へのご連絡にはフッターのご意見/ご感想・お問い合わせをお使いください。
English
中文