東芝が2010年1月29日に発表した2009年度第1~3四半期の連結決算では,NANDフラッシュ・メモリ事業が業績改善を支えた(Tech-On!関連記事)。直近の第3四半期には同事業が100億円を超える営業黒字を出し,システムLSI事業とディスクリート事業の赤字を帳消しにした。同社におけるNANDフラッシュのビット成長は「年率2倍に迫る水準で推移している」(東芝 代表執行役副社長の村岡 富美雄氏)という。

 同社は目下,NANDフラッシュの技術世代を32nmへ移行しており,2010年3月末までに32nmの生産比率を65%に高める。今後,「32~2Xnm世代への微細化投資や,生産能力拡大に向けた設備投資を進めていく」(村岡氏)とする。ただし,こうした投資については「市場シェアをやみくもに追うのではなく,収益性を見極めながら決める」(同氏)とした。