東芝は,液晶ディスプレイ事業からの撤退を検討している。2010年1月29日の決算発表(Tech-On!関連記事1同2)の場で,同社 代表執行役副社長の村岡 富美雄氏は,「液晶ディスプレイ事業は損益の悪化が続いており,非常に厳しい状態にある。(同事業の今後については)単なるコスト削減などで済むかどうかを含め,対応を検討中」と語った。

 東芝モバイルディスプレイ(TMD)で手掛ける東芝の液晶ディスプレイ事業は,2009年4~12月期の累計で191億円の営業赤字を計上した。「需要縮小による売り上げの減少,価格下落,円高などが要因」(村岡氏)とする。2008年4~12月期は162億円の赤字,2007年4~12月期は100億円の赤字であり,ここ2年間で赤字幅は拡大している。村岡氏は同事業について「あらゆる選択肢を議論している状況」とした。

《修正》 本記事について東芝 広報室から次のような申し入れがありました。「当社代表執行役副社長の村岡が,液晶ディスプレイ事業の今後について,『あらゆる選択肢を議論している』という説明をいたしましたが,これは『撤退を含めた』という意図で述べたものではありません」。これを受けて,記事初出時の最終段落にあった村岡氏の発言中の「(撤退を含めた)」を削除しました。(2月3日 日経エレクトロニクス)