新日本製鉄は,2009年度第1~3四半期(2009年4~12月期)の連結決算を発表した。売上高は2兆4852億円(前年度同期比35.1%減),営業損益は316億円の損失(前年度同期は3964億円の利益)となった。ただし,直近の四半期(2009年10~12月期)では4四半期ぶりに営業黒字を確保しており,自動車や電機向けの鉄鋼需要には回復傾向がみられるという。

 2009年10~12月期は,売上高が9118億円(前年度同期比25.7%減),営業利益が397億円(同73.2%減)だった。大幅な減収減益ではあるが,収益環境は徐々に良化している。

 主力の製鉄事業では,国内で建設・土木分野の需要低迷が続いているものの,需要刺激策の恩恵を受けた自動車や電機など製造業分野で需要が回復した。また海外は,中国をはじめとするアジア諸国の景気回復により鉄鋼需要が好調に推移しているという。2010年1~3月期の鋼材出荷数量は,2009年10~12月期を上回る見込みだ。

 ただし,建設・土木分野の鉄鋼需要が低迷していることや,原油や鉄鋼原材料のスクラップなどの市況品価格が上昇していることが収益環境の悪化要因となるため,2009年度通期の業績のうち利益項目について下方修正を行う。修正後の通期業績見通しは,売上高が3兆5000億円(修正なし),営業利益が400億円(2009年10月21日発表値から100億円減),経常利益が100億円(同200億円減),当期純損益が150億円の損失(同150億円悪化)である。