「iPadは革新的で信じられないくらい安い」とJobs氏
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iPadを,別売りのキーボード付きドックにつなげた様子
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Apple社の「A4」プロセサを搭載する
Apple社の「A4」プロセサを搭載する
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iPadの電子書籍機能では,写真や動画をカラーで表示できる
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 米サンフランシスコ市で開催された報道機関向けイベントで,米Apple Inc.が新しいタブレット型端末「iPad」を発表した(発表資料)。舞台に立ったCEOのSteve Jobs氏は,携帯電話機とノート・パソコンの間に製品系列のギャップがあることを,同社は以前から認識してきたと指摘。「しかし,その製品は両方の機器よりも優れている必要がある」(同氏)。今回の製品は,この疑問に対するApple社の回答だと宣言した。同社が,このような端末を開発していることは,シリコンバレーで1年間以上前から噂されてきた。

 iPadは,大型のiPod touchといったおもむきの製品である。静電容量型タッチスクリーン搭載の9.7型液晶パネルを備え,寸法は縦242.8mm×横189.7mm×厚さ13.4mm。無線LAN機能のみを内蔵する機種と,第3世代(3G)携帯電話の通信機能も備える機種がある。無線LANのみに対応する製品の重さは約680g。あらかじめこうした製品の登場を予測していた報道陣を驚かせたのは,価格の安さである。16Gバイトのフラッシュ・メモリを搭載し,無線LANのみに対応する最も安価な製品の価格は499米ドル。3Gにも対応し,フラッシュ・メモリの容量が64Gバイトの最も高い製品でも,829米ドルである。無線LANのみ対応する製品は,2010年3月末に全世界で発売する。3G対応版は,2010年4月から米国などの国で出荷するという。

 iPadでもう一つ注目を集めたのは,Apple社製のマイクロプロセサを採用したこと。動作周波数は1GHzで,名称は「A4」である。Apple社は2008年に,マイクロプロセサの設計を手掛けるP.A. Semi社を買収しており,その成果と見られる。iPadのOSは,iPhone OSバージョン3.2であり,iPhone向けのアプリケーション・ソフトウエアが動作する。

電子書籍を強調

 iPadは,iPod touchなどと同様に,Webや動画,音声,ゲーム,写真といったコンテンツを楽しむことを狙った端末である。中でもApple社は,書籍や新聞などのテキスト・コンテンツを強調。iPadには,EPUBフォーマットの電子書籍を読むためのアプリケーション「iBooks」を搭載した。同社は,無線LAN対応版の出荷とともに,電子書籍などを配信するオンライン店舗「iBookstore」を開始する予定で,そこで購入したコンテンツを読むことができる。