パナソニックファクトリーソリューションズ(PFSC,本社大阪府門真市)は,電子部品実装機などの安全設計のため,FTA(Fault Tree Analysis)とFMEA(Failure Mode and Effect Analysis)を実行する際,ナレッジベース・システムを併用して不具合の再発を減らすとともに,検討の漏れを防ぐ取り組みを進めている。

図1●PFSCの電子部品実装機(チップマウンタ)
NEXT PRODUCTION MODULAR(NPM)
図1●PFSCの電子部品実装機(チップマウンタ)NEXT PRODUCTION MODULAR(NPM)
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 同社は電気・電子製品メーカー向けの,プリント回路基板(PCB)用の実装機(チップマウンタ)や印刷機といった生産設備を手掛けている(図1)。そのような製品は長期間にわたって使われるものが多く,耐用年数を超えて使われるケースもある。不具合が起こるとすれば,どのような不具合がどんな順番で起こるかをあらかじめ見通しておき,不具合による影響は必ず安全側に生じるように設計しておかなければならない(ライフエンド製品安全設計)ため,従来からFTAなどに力を入れていた。その検討精度をさらに高め,一方で作業工数や設計期間を短縮することを目的に,不具合や事故に関する情報を構造化して利用しやすくする理論と手法であるSSM(Stress-Strength Model)と,SSMに基づいてFTAやFMEA用の帳票を作成するなどの機能を持つ専用ツールを合わせて導入した。

FTAを2度回す