開発品の透明フィルム
開発品の透明フィルム
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 ジャパンゴアテックス(本社東京)は,光透過性と耐高温性に優れる透明フィルムを開発し,「第39回インターネプコン・ジャパン」に参考出品した。ポリイミド(PI)フィルムの代替が可能だという。

 開発品は,紫外光の透過性も有するなど,光透過性が高い。可視光および紫外光の透過率を示す全光線透過率は,93%以上に達する。これは,ガラスやアクリル樹脂と同等のレベルである。

 耐高温性に関しては,300℃ぐらいまでは線膨張係数や光透過性が安定しており,400℃ぐらいで熱軟化挙動を示すという。50~300℃雰囲気下での熱膨張係数は,現状で75ppm/℃だが,今後30~50ppm/℃まで下げられる余地があるようだ。

 本格的な用途開発はこれからだが,有力なのはPIフィルムの代替である。具体的には,フレキシブル基板の保護膜(カバーレイ)として使われているPIフィルムを代替できる可能性が高い。「もっと光透過性に優れたフィルムをカバーレイに使いたいというニーズを,ユーザーなどから聞いている」(同社の説明員)。PIフィルムの全光線透過率は,90%前後のものが多い。価格についても,PIと同等の水準を狙う。

 同社は,開発品の材料について詳細をほとんど明らかにしていないが,複数のポリマーを混合したものだという。フィルムの厚さは,製造実績としては25μmだが,10μmぐらいまでは対応可能とする。

光透過性の比較
光透過性の比較
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主な特性(測定値)
主な特性(測定値)
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