中野製作所(本社東京)は,主材料や配合剤,硬度,寸法,表面加工法を選んで注文できる「高機能ゴムローラー」シリーズ19品種を2010年1月20日に発売した。注文生産のゴムローラは通常納品まで1カ月以上かかるとされるが,新製品は最短5営業日で納品できる。

 中野製作所は,鉄道改札機や銀行などの現金自動預け払い機,サーマルプリンタなどの産業機器向けにゴムローラを供給している。ゴムローラは使用環境に応じて,摩耗に起因するスリップやインクによる膨張,熱による溶解といった多様なトラブルが発生するため,用途に合わせて主材料や配合剤,構造,形状などを調整している。これまでは,顧客の注文に合わせて個別に調整していたため,営業・設計・製造・検証といった多くのプロセスが必要だった。その上,打ち合わせや材料調達,金型製作などにも時間がかるので,納品まで平均1カ月かかっていた。

 新製品は,代表的な必要特性に合わせた最適なゴム配合を標準化し,それに基づいて製造するゴムローラをシリーズ化したもの。ゴムローラの主材料になるEPDM(エチレン・プロピレン・ゴム)やウレタンなどのゴム種ごとに,耐摩耗性や耐熱性,搬送力といった指標を勘案しながら配合剤を指定し,さらに必要な硬度や寸法,表面加工法も指定できる。製造に用いる金型や材料も標準化して在庫してあるため,最短で受注後5営業日の納品が可能になった。