豊田通商は2010年1月19日,オーストラリアOrocobre社との間で,アルゼンチンのオラロス塩湖におけるリチウム資源開発のための事業化調査を共同で実施する旨の覚書を交わした。両社,同調査の結果を基に共同出資会社を設立し2012年から生産を開始する予定。2014年には,炭酸リチウムで1万5000t/年,塩化カリウムで3万6000t/年の生産を目指すとしている。

 高性能2次電池の主要材料であるリチウムは,ハイブリッド車や電気自動車の普及に伴って需要が増大すると予想されている。豊田通商はその確保を目的に,これまで石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と幅広く連携しながら,世界中のリチウムを含むレアメタル資源のポテンシャルについて調査してきた。

 同社は,そうした調査に基づき,オラロス塩湖がリチウム開発において非常に有望であると判断し,今回の決定に至った。豊田通商がオラロス塩湖を有望視するのは,(1)舗装道路やガスなどのインフラ設備が湖の近辺まで整っている(2)リチウム含有量が高く,マグネシウム含有量が低い--などの点からという。豊田通商は,リチウムの上流から下流までのサプライチェーン構築を目指している。