写真は,ソニーのSDメモリーカード
写真は,ソニーのSDメモリーカード
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写真は,東芝の米国向けBDプレーヤー
写真は,東芝の米国向けBDプレーヤー
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 今年の「International CES」を見ていて「例年とは違う」と思ったのが,「逆転現象」だ。これまでこだわってきたが,「もうだめだ。こだわりを捨てて豹変するしかない」というもの。

 一つが,ソニーの「SDメモリーカード」販売開始の発表だ。「メモリースティックを捨てたわけではない」と言うが,堂々と米国で1月に売り出す。これまでもPS3の初期モデル60Gバイト版のメモリーカード・リーダー/ライターがSDメモリーカードに対応するなど少し動きは出ていたが,いよいよソニー・ブランドで売り出すのである。時代は変わった。1980年代の終わり,VHSにベータが負けた時も同じような感慨を抱いた。「やめない」と言っていたベータも,数年で事実上やめてしまった。メモリースティックはどうだろうか。絶対にやめないか。

 2番目は、東芝がBD(Blu-ray Disc)レコーダーを出すことだ。もう2年前に「HD-DVD」をやめているから,BDをやるのは自由だ。しかし,撤退会見で「BDをやらない」と言っていたのだから,それは意外な判断に映る。「日本はBDレコーダーの国だから,日本ではBDレコーダーをやる」ということなのだが,東芝の公式発言を聞いていると,ワン・アンド・オンリーの「RD」へのこだわりがいま一つ感じられない。残念なことだ。

 3番目はパナソニック。米国市場で,「禁断」の大画面液晶テレビ,42型の販売に踏み切った。プラズマ・テレビとユーザー層が違えば,積極的に液晶テレビを売る方針だ。「ブルータスよ,お前もか」と思う人もいるだろう。

 筆者の結論。こだわりは一般には善だが,時には,悪になることもある。

■変更履歴
記事掲載当初,「PSPがSDメモリーカードに対応するなど」としていましたが,正しくは「PS3の初期モデル60Gバイト版の メモリーカード・リーダー/ライターがSDメモリーカードに対応するなど」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。