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【EDSFプレ】組み込みシステム開発でESLが果たす役割,二つのテーマでパネル討論

2010/01/12 12:57
三橋明城男=JEITA EDA技術専門委員会,メンター・グラフィックス・ジャパン
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 2010年1月28日〜29日にパシフィコ横浜において,「EDSFair 2010」が開催される。その特設ステージ企画の一つとして,28日(木)の16:00〜17:30に組み込みシステム開発に関するパネル・ディスカッションが行われる。

 「ものづくり」という言葉が使われて久しい。4ビット・マイコン搭載機器で「もの」の一部であったソフトウェアは,マルチコアの32ビット・マイコン搭載機器においては,製品の魅力を左右する重要な要素となった。今回のパネル・ディスカッションのタイトルは,『組込みシステムにおけるソフトウェア開発要件とESL技術の対応〜「ものをつくる」から「ものにつくりあげる」へのシフト〜』である。対象は,大規模・複雑化する組み込みシステム開発に携わるハードウェア設計者とソフトウェア設計者,さらにその両者を統括するマネージャを対象にしている。

ESLへの期待が高まる

 一般に組み込みシステムの開発においては,ソフトウェアを実行するためのハードウェア開発が先行し,その後でソフトウェア開発が始まることが多い。従ってハードウェア開発に遅延が発生した場合,その影響はソフトウェア開発の予定に著しく影響を与える。さらにハードウェアに機能バグが混入した際にも,その回避がソフトウェア開発に上乗せされる場合も少なくない。

 また,ハードウェアの性能を正しく見極めようとすると,ソフトウェアの存在が不可欠であるとも言われている。このように,ハードウェアとソフトウェアはお互いがお互いを必要としながらも,機能,性能において完全な保証ができないことから,開発における大きな基盤が失われつつあると言っても過言ではない。

 このような危機感を背景にして,ESL(electronic system level)への期待が高まっている。SystemCの標準化団体のOSCI(Open SystemC Initiative)では,トランザクション・レベルの標準APIとしてTLM 2.0を定義している。これによって,ハードウェアとソフトウェアの協調設計やシステムの性能評価と機能検証,またソフトウェア開発のために仮想プラットフォームの提供が可能となる。

 さらに,あるタスクを実現する方法として専用ハードウェア化をするか,ソフトウェアで実装するかの評価や検討ができるようになる。しかし,市場投入の短期化が求められる中で,新たなESLの領域にどれだけ時間を割くことができるのか。あるいはTLM 2.0によるモデリング手法やESLツールをどれだけ修得し使いこなすことができるのか。

6名のパネラで討論

 このパネル・ディスカッションのモデレータは,組み込みソフトウェア業界での豊富な経験を持つESL代表取締役社長の坂本秀人氏である。パネラは全部で6名。車載組み込みシステム開発に従事するデンソーの岩井明史氏(電子プラットフォーム開発部主幹),半導体開発の上流設計手法としてESLを取り入れている富士通マイクロエレクトロニクスの中村和正氏(共通技術本部 設計共通技術統括部 プロジェクト課長),コンシューマ・エレクトロニクスのシステム開発にESL活用を支援するソニーの旦木秀和氏(半導体事業本部 設計基盤技術部門 統括課長),プロセサ開発に従事しハードウェアとソフトウェアを含めた性能評価に詳しいトプスシステムズの松本祐教氏(代表取締役),ESL環境を提案するEDAベンダーとしてメンター・グラフィックス・ジャパンの牧野潔氏(ビジネス開発マネージャー)である。

 大きく二つのテーマについて議論を展開する。一つは,組み込システム機器開発においてキーとなる最適化技術の視点より,ESLを用いて組み込みシステム機器の最適設計がどこまでできるのか,ハードウェアとソフトウェアの統合,アーキテクチャ検討,性能評価などの側面から,ものに作り上げるための技術要件について議論する。

 もう一つのテーマは,その最適設計を実現するために求められる技術以外の要件,すなわち最適化技術をうまく効率的に開発・適用・普及させるためのマネージメントの視点より,業界標準化やインフラの整備,組織,プロセス,人材,スキルなどについて議論を展開する。

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