HP社が「Snapdragon」搭載のAndroidパソコンを披露
HP社が「Snapdragon」搭載のAndroidパソコンを披露
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HP社のデモの様子
HP社のデモの様子
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Mirasolを搭載した電子書籍端末の試作機のデモ
Mirasolを搭載した電子書籍端末の試作機のデモ
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 米HP社は,米Qualcomm社製マイクロプロセサ「Snapdragon」と,米Google社のソフトウエア・プラットフォーム「Android」で構成した小型パソコンを開発し,米国で開催中の「2010 International CES」で披露した。

 Qualcomm社CEOのPaul Jacobs氏の基調講演に登場したHP社EVP,Personal Systems GroupのTodd Bradley氏がデモを見せた。Qualcomm社などが推進する「スマートブック」と呼ぶカテゴリのパソコンである。今回は試作機だが,製品化する可能性は高いようだ。

 Snapdragonは,第3世代移動体通信(3G)や無線LAN機能を標準搭載したマイクロプロセサで,インターネットへの常時接続環境を構築できる。今年中にもGoogle社のパソコン用OS「Chrome OS」にも対応する計画だ。

 HP社の試作機は同マイクロプロセサ「QSD8250」を採用し,液晶タッチ・パネルを搭載した。Bradley氏は,Snapdragonを使うことで「従来のパソコンよりも薄くしやすく,待機時にもメールを受け取れる」と利便性を強調した。

 Jacobs氏の基調講演では,中国Lenovo Group社のCEO,Yuanqing Yang氏と,台湾HTC社のCEO,Peter Chou氏も登壇。Snapdragonを搭載したスマートブック「Lenovo Skylight」と,スマートフォン「HTC Smart」をそれぞれ見せた。

 HTC Smartは,今回のCESでQualcomm社が発表したソフトウエア・プラットフォーム「Brew Mobile Platform」を採用した。2010年春に欧州やアジアで販売を開始する予定だ。

 このほか,Qualcomm社のJacobs氏は,反射型ディスプレイ技術「Mirasol」を搭載した電子書籍端末の試作機も披露した。Mirasolは,米Qualcomm MEMS Technologies社のディスプレイ技術。今回は,カラー表示が可能な表示パネルを搭載した試作機のデモを見せた。

 「米Amazon.com社の電子書籍端末『Kindle』のユーザーは,Kindleをワイヤレス機器とは思わない。それと同じようなことを多くの機器で体験するようになるだろう」とJacob氏。すべての携帯型機器は携帯電話機と同じような通信機能を備えるようになるという近未来の機器像を示した。