TransferJet用LSIを内蔵したメモリースティック
TransferJet用LSIを内蔵したメモリースティック
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2010年2月に発売するTranferJet対応のデジカメ「DSC-TX7」
2010年2月に発売するTranferJet対応のデジカメ「DSC-TX7」
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 ソニーは米国時間の2010年1月6日に開催した記者発表会で,近接無線技術「TransferJet」を採用した製品の米国市場への投入計画などについて明らかにした。TransferJetは数cmと短い距離を実効375Mビット/秒でデータ伝送できる無線技術。モバイル機器から,パソコンやカメラなど他の機器に写真や映像をかざすだけでデータを簡単に転送できるのが特徴である。

 まず,同社は2010年1月にTransferJetのLSIを内蔵したメモリースティックを発売する。容量は8Gバイトで,価格は約100米ドル。このメモリースティックに対応したデジタルカメラ「DSC-TX7」を2月に,「DSC-HX5V」を3月に発売する。価格はDSC-TX7が約400米ドル,DSC-HX5Vが約350米ドルである。同3月には,TransferJet対応製品を置くだけで画像をパソコンなどに転送できるUSB接続の専用ステーションを発売する。価格は約150米ドル。

 それ以降,パソコンの「VAIO」シリーズなどにTransferJet用LSIを内蔵していく。今回,ソニーのブースではTransferJet用LSIを搭載したVAIOの試作機が展示されている。

 ただし,TransferJetが使えるのは,「今後発売していく製品に限られる。従来のデジタルカメラなどにTransferJet対応メモリースティックを差しても使えない」(ソニー)。DSC-TX7やDSC-HX5Vでは,TransferJetに対応するために,UIやファームウエアなどソフトウエアだけでなく,メモリースティック・スロット近傍の筐体の材質なども従来から変更しているという。「スロット付近を金属で囲ってしまうとTransferJetの電波がしゃ断されてしまう」(ソニー)ためである。