会見場でCELLレグザを披露
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会見後はCELLレグザの周囲は黒山の人だかりに
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 東芝は,ソニー・グループ,米IBM社と共同開発したマルチコア型マイクロプロセサ「Cell Broadband Engine」を搭載した液晶テレビ「CELLレグザ」を2010年秋に米国で発売する。「2010 International CES」の開幕に先立って米国時間の2010年1月6日に開催した記者発表会で明らかにした。欧州でも,ほぼ同じ時期に発売する。

 米国では「CELL TV」の名称で発売する。画面サイズは55型と65型の2機種を用意する。欧州では,46型と55型を発売する計画だ。米国での価格は,日本での価格の半分程度になる模様だ。

 日本では,8チャンネル分のテレビ番組を同時録画・再生する機能などが注目を集めたが,多チャンネル化が進みテレビの視聴環境が異なる米国向け機種では仕様を大きく変更。3次元映像を楽しめる,いわゆる3Dテレビの機能を前面に押し出した。通常の映像を3D映像に変換する機能などをCellのソフトウエア処理で実現する。

 Blu-ray Disc(BD)プレーヤーを内蔵する点も日本向けとは異なる。インターネットや家庭内ネットワーク機能も拡充した。ミリ波を使って1080pを圧縮せずに伝送できる無線通信規格「Wireless HD」や,IEEE802.11nの無線LAN機能も搭載する。録画用の内蔵HDDの記録容量は1Tバイトで,録画した映像コンテンツを家庭内の別のテレビなどで視聴できるホームサーバ機能を強化した。このほか,IP電話技術を使ったテレビ電話機能も備える。映像の見かけ上の解像度を高める超解像技術で画質を高める。

 東芝は日本の報道陣向けにも会見を開き,2010年にBDレコーダーやBDプレーヤーを投入することを明らかにした。液晶テレビ「レグザ」でもBD装置の搭載品を投入する。近日中にも製品群を発表する模様だ。「テレビを購入する人の3割はBDレコーダーなどを購入している。その比率は今後,高まる」(同社 デジタルメディアネットワーク社 社長の大角正明氏)と見ている。

 日本で2009年12月10日に発売したCELLレグザは,発売初日に100台を超える受注があったという。2週間で500台弱を販売し,「当初目標の月産1000台に近い出荷台数になりそう」(大角氏)という。