アルバックの工場に設置したEV充電システム。中央の茅ヶ崎市長がボタンを押しているのが急速充電器。
アルバックの工場に設置したEV充電システム。中央の茅ヶ崎市長がボタンを押しているのが急速充電器。
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茅ヶ崎市に納入するEV充電システム
茅ヶ崎市に納入するEV充電システム
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アルバックの工場のEV充電システム。薄膜Si型太陽電池を用いている。
アルバックの工場のEV充電システム。薄膜Si型太陽電池を用いている。
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 製造装置メーカーのアルバックは,電気自動車(EV)向け急速充電器と太陽電池による発電設備を組み合わせたEV充電システムを開発した(ニュース・リリース)。神奈川県茅ヶ崎市から同システムを受注しており,2010年3月までに茅ヶ崎市の市営駐車場に設置する。価格は数千万円である。EV充電システムの売り上げ目標は初年度に10億円。国内だけでなく海外でも受注活動を積極化する。

 茅ヶ崎市に納入するのは,最大発電量が20kWの太陽電池と出力50kWの急速充電器などで構成するEV充電システムである。太陽電池で発電した電力で不足する場合は,電力系統から補う。発電と充電の状況を茅ヶ崎市役所内のディスプレイに表示する仕組みも備えている。

 EV充電システムの核となる急速充電器やパワー・コンディショナは,アルバックと子会社の日本リライアンスが共同で開発したもの。急速充電器は東京電力の規格に準拠しており,約25分でEVの電池容量の80%を充電できる。日本リライアンスはスパッタリング装置用電源などを開発しており,その技術を応用した。パワー・コンディショナの電力変換効率は98%である。

 アルバックは茅ヶ崎市への納入に先駆けて,茅ヶ崎本社工場にデモンストレーション用のEV充電システムを設置した。最大発電量8.4kWの太陽電池と出力25kWの急速充電器などで構成する。太陽電池は,同工場の試作ラインで製造したタンデム構造の薄膜Si型太陽電池を用いている。変換効率は安定化後に8%程度である。アルバックは,デモンストレーション用システムを用いて,EV充電システムの高効率化や使い勝手の向上に関連する研究開発を継続する。