モニター調査で配布するCamangi社製のAndroid端末。イー・モバイルの「Pocket WiFi」などを使うことで3Gデータ通信も利用できる
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アプリ・ストア「andronavi」の画面イメージ
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 インターネット接続事業(ISP)大手のNECビッグローブは,無線接続を前提としたインターネット端末事業に乗り出す。米Google社の組み込み向けOS「Android」を載せたネット端末をビッグローブが機器メーカーから調達し,自社のネット接続会員などに向けて販売する。Androidで動作するアプリケーション・ソフトウエアなどを販売するWebサービス(アプリ・ストア)も展開していく。2012年度末までにネット端末の利用者数20万人,ソフトウエア販売やWebサービスも含めた端末関連事業で年間売上高100億円を目指す。

 「クラウドデバイス」と呼ぶネット端末を2010年中に売り出す。それに先駆けて,2010年2~3月にビッグローブの会員100人を募ってモニター調査を実施する。

 モニター調査用の端末は,台湾のCamangi社製でタッチパネル付きの7型液晶パネル(800×480画素)を搭載する。外形寸法は200mm×120mm×14.5mm。重さは380g。無線LAN機能を内蔵する。データ通信モジュールを利用すれば,第3世代携帯電話(3G)のデータ通信にも対応できる。

 ビッグローブの親会社であるNECも,ほぼ同等の機能を備えたネット端末を2010年中に製品化する。NEC製の端末は,動画表示性能などを強化したものになる予定だ。Camangi社製とNEC製ともに3万円台の市場価格を見込む。今後,他の機器メーカーにも開発を呼びかける。

 まずは,無線LANルーターを介した家の中でのネット接続を中心とした利用形態を見込む。家庭向けのブロードバンド接続サービスや定額制の3Gデータ通信サービスと,ネット端末をセット販売できるISPの強みを軸に,端末やサービスを普及させる狙い。「利用者の要望が多ければ,端末に3Gデータ通信を内蔵する可能性もある」(NECビッグローブ)。

 アプリ・ストアの名称は「andronavi(アンドロナビ)」。2010年1月7日に開設する。当初はAndroid関連の情報発信サイトの位置付けで,同1月末から無料アプリをダウンロードできるサービスを始める。有料アプリの提供は同3月末をメドに開始する。英語圏を中心に海外展開も視野に入れる。

 ビッグローブのネット端末だけでなく,ほとんどのAndroid搭載端末で利用できるようにする計画。ソフトウエアだけでなく,マンガを中心に電子書籍などのコンテンツも配信する。2012年度に10万本の配信アプリ(コンテンツ)数を目指す。