JFEスチールは,フェロコークスの製造のためのパイロットプラントを同社東日本製鉄所に建設する。新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)による「資源対応力強化のための革新的製銑プロセス技術開発」プロジェクトの一環で,投入資金は同プロジェクトの総事業費(約47億円)の範囲で賄える約35億円を計画。工期は2009年12月から約2年を予定している。生産能力は30t/日という。

 フェロコークスは,製鉄所において鉄鉱石を高炉内で還元させる際の効率と二酸化炭素発生量を改善/削減できる物質。高炉に鉄鉱石とともに投入する通常のコークスの一部をフェロコークスに置き換えることでそれを実現する。石炭と鉄鉱石を事前に粉砕/混合/成形して,連続式の乾留炉で加熱することで造られるもので,コークスの海の中に直径50μm以下の金属鉄が島のように散りばめられた組織を有する。その原料に使う石炭や鉄鉱石には,従来,製鉄のために使われていたものよりも品位の低いものを多く利用できる。安定的な原料調達と二酸化炭素の排出量の抑制や省エネルギに貢献する新技術として期待されている。