三洋電機のグリーンエナジーパークの完成予想図
三洋電機のグリーンエナジーパークの完成予想図
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 三洋電機は,国土交通省の「平成21年度 第2回住宅・建築物省CO2推進モデル事業」に,同社加西事業所の新工場「グリーンエナジーパーク」が採択されたと発表した。同社は,太陽電池に代表される「創エネ」,2次電池などの「蓄エネ」,省エネルギ機器による「省エネ」の三つの環境関連技術を融合したシステム「スマートエナジーシステム(SES)」によって,工場や学校,店舗などの二酸化炭素(CO2)排出量やエネルギコスト削減を提案する事業を本格展開させる方針。グリーンエナジーパークを,そのSES技術の実証実験の場と位置付けている。

 「グリーンエナジーパーク」は,既存の建屋に加え,ハイブリッド自動車用のリチウム(Li)イオン2次電池の新工場および管理棟などから成る。新工場の建屋工事費約130億円とは別に,大規模なSESの実現に約50億円を投資する計画だ。「工場SES」と呼ぶこの取り組みでは,結晶シリコン基板とアモルファスシリコン薄膜で形成された1MWのHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin layer)太陽電池と,1.5MWhの大容量・高電圧Liイオン2次電池システム,各種の省エネルギ機器を連携制御するエネルギ・マネジメント・システムなどの技術を導入する。それらを統合する制御システムを駆使することで,年間約2480tのCO2排出量の削減を見込んでいる。

 住宅・建築物省CO2推進モデル事業は,工場や家庭から排出されるCO2の削減を推進するため,国土交通省が省CO2化を図った施設や住宅を公募し,整備費の一部などを補助するもの。2009年度は,52件の応募の中から20件が採択された。グリーンエナジーパークは,「環境配慮を意識したこれからの工場の姿を先取りする意欲的なプロジェクト」として評価されたという。