中国に建設したフォークリフト新工場
中国に建設したフォークリフト新工場
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 三菱重工業は,中国・大連で建設を進めてきたフォークリフト生産工場が竣工し,本格生産を開始したと発表した。当面は最大荷重が1~3t級の中国市場向け最新機を生産し,将来的には生産ラインアップを周辺の新興国市場向け機種に拡大する。新工場の稼働によって,同社は日米欧中に生産拠点を確保したことになる。

 新工場は,三菱重工が2008年11月に設立した全額出資の現地法人「三菱重工叉車(大連)」の敷地に建設した。エンジンなど基幹部品は当面日本からの供給だが,主要な溶接部品は新拠点で生産する。板金部品などについても,大連や近隣地域の日系企業から調達。これら調達部品については,日米欧の工場に供給することも検討する。

 エンジン式フォークリフトにおいては,中国の需要が既に北米を上回っているほか,その他の新興国でも一時的な減速はあるものの,長期的には成長が見込める。三菱重工では,中国の新工場を新興国市場向けの主力生産拠点および価格競争力のある部品調達拠点として位置付け,今後も能力を増強。生産規模を,3年後までに7000台/年に引き上げる。