三洋電機がCO2冷媒を使った業務用冷凍庫を開発
三洋電機は,代替フロン(HFC(ハイドロフルオロカーボン類)など)に比べて環境負荷が小さいCO2冷媒を使った業務用冷凍庫を開発した。2個のロータを使う2段圧縮ロータリー方式のCO2圧縮機や,冷凍サイクルに中圧段階を用意することで冷凍能力と効率を高められる「スプリットサイクル」など,同社がエコキュートで実用化している技術を応用した。また,業務用冷凍庫向けに圧縮機を小型化するなどの工夫も施した。
現在,冷凍ショーケースなどに使われているHFCは,オゾン層破壊係数が小さいとして普及しているものの,地球温暖化係数が大きいという課題がある。冷媒を回収して分解処理すれば問題はないとされていたが,現実には使用時にHFCの漏れる量が無視できないのではないかと懸念の声も上がっている。デンマークではHFC1kgにつき約5000円相当が課税されるなど,欧州を中心にHFC規制の動きが始まりつつある。そのため,業務用の冷凍機器のうち,ショーケースなどの室内機と放熱する室外機(冷凍機)が分離した大型品では,海外大手メーカーによりCO2冷媒を使った製品開発,販売が盛んになっているという。
今回の冷凍庫は,業務用としては比較的容量が小さく,圧縮機や放熱器などが冷凍庫本体と一体になったものである。こうした製品では,CO2冷媒採用品の開発があまり進んでいない。三洋電機では他社に先駆けて業務用冷凍庫のCO2冷媒採用品を開発することで,市場獲得を狙うとする。
今回の冷凍庫の実用化は2010年度以降としており,詳細は未定である。実用化に向けた課題はコストという。HFC圧縮機の生産台数が数百万台規模であるのに対して,CO2圧縮機はエコキュート用を含めても数万台規模と小さいからだ。現段階では少なくとも2倍程度の価格になってしまう。
三洋電機では,HFC圧縮機とCO2圧縮機の価格差を実質的に埋める要因を三つ想定する。一つは,冷媒の回収・分解費用が不要であること。二つめは,漏れなどに関する管理コストが不要であること。三つめは,消費電力量の削減である。CO2は冷媒から熱を取り出す際の温度が80℃と高く,排熱を利用しやすいという利点がある。冷凍庫などの場合,この排熱を霜取り用熱源のヒーターの代わりに使えるため,消費電力を削減できる。こうした要因を考慮し,三洋電機ではCO2圧縮機の価格をHFC圧縮機の1.2〜1.5倍程度に抑えることを目標とする。吸収しきれない価格差については,圧縮機本体を小型化したり,CO2冷媒の低抵抗という特性を生かして熱交換器を小型化するなど,冷凍庫としての付加価値を高めることで対応したいとする。












