欧州で自動車アセスメントを手掛けるEuroNCAPは、2009年モデル12車種の衝突試験結果を発表した。試験したのは日産自動車「Infiniti FX」、トヨタ自動車「Urban Cruiser(日本名:イスト)」、マツダ「Mazda 3(日本名:アクセラ)」、フランスCitroen社「DS3」、フランスPeugeot社「5008」、ドイツVolkswagen社「Scirocco」、ドイツBMW社「X1」、ドイツDaimler社「Mercedes Benz GLK」「Mercedes Benz Eクラス」、ドイツOpel社「Astra」、米GM社「Chevrolet Cruze」「Chevrolet Spark」の12車種で、このうちChevrolet SparkとUrban Cruiserを除く10車種が最高評価の五つ星を獲得した。

 最近の調査で、ユーザーが車を選ぶときに影響を与える要因としてブランドの信頼性が上位に挙げられた。今回の調査では、二つのブランドで信頼性についてこれまでの評判と異なる結果が見られた。一つはChevroletで、2006年に試験した「Aveo」が最低評価の一つ星以下だったが、それから3年間で安全性が大きく向上し、今回試験したCruzeは五つ星、Sparkは四つ星となった。Sparkは横滑り防止装置を標準装備していないため、総合評価が一段階下がったが、2010年には一部グレードで標準装備するという。

 もう一つのブランドはトヨタだ。2009年前半の試験で、「Avensis」「IQ」「Prius」で五つ星を獲得したにもかかわらず、今回のUrban Cruiserは乗員保護性能の評価が低く三つ星にとどまった。EuroNCAPでは、2010年から評価条件が厳しくなるため、これまでとは異なる結果が出る可能性がある。ユーザーは購入車を選ぶ際、ブランドの評判に頼って安全性能を推測すべきではないと警告している。