経営戦略を発表するKUKA Roboter社CEOのManfred Gundel氏
経営戦略を発表するKUKA Roboter社CEOのManfred Gundel氏
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軽量な7軸腕型ロボット「KUKA lightweight robot(LWR)」
軽量な7軸腕型ロボット「KUKA lightweight robot(LWR)」
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 独KUKA Roboter社は2009年11月25日に記者会見を開き,同社のCEOであるManfred Gundel氏が今後の経営戦略を明らかにした。「中小企業」「新産業」「高齢化対応」の三つをロボット業界における「メガトレンド」ととらえ,これらの分野を軸に事業を拡大する。そのために,ロボットの安全制御などに関する技術開発も進める。

 まず「中小企業」に関しては,今後,生産性向上のニーズが高まると予想。工場などでこれまで人手に頼っていた作業について,一部をロボットに置き換える動きが進むと同社はみている。その際,完全に自動化するのではなく,人の作業を支援する目的でロボットが導入される可能性が高いという。

 そのような用途に向けて,同社は軽量で安全性やフレキシブル性に優れた7軸腕型ロボット「KUKA lightweight robot(LWR)」を開発。今回,LWRを日本およびアジア太平洋地域で初めて公開した。本体質量は15kg,定格の可搬重量は7kgである。既に独Daimler社の生産ラインなどに採用実績があり,今後は日本での販売も予定する。

 「新産業」に関しては,電気自動車(EV)や太陽光発電システム,航空機など,今後大幅な成長が見込める分野に向けて,ロボット製品の開発体制を強化する。これらの新産業では,製造現場にロボット活用の知識やノウハウがそれほど蓄積されていない可能性がある。そのためKUKA Roboter社では,ロボット単体ではなくロボットを含む生産システム・コンポーネントという形での提供を目指していく。

 高齢化対応に関しては,主に医療・介護機器におけるロボット需要の拡大を取り込んでいく。こうした用途でも安全性やフレキシブル性が求められるので,医療・介護現場のニーズに対応するための技術開発を進める。