0.6型品の実演台。なお0.47型品の実演台の側には,オリンパスのレンズ交換機「E-P2」が透明なショー・ケースに入って置かれていた。0.47型品がE-P2の外付けファインダーに採用されたからだ。
0.6型品の実演台。なお0.47型品の実演台の側には,オリンパスのレンズ交換機「E-P2」が透明なショー・ケースに入って置かれていた。0.47型品がE-P2の外付けファインダーに採用されたからだ。
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 こんなによく見えた経験って光学ファインダーであったかな。期せずして,こう思った。2009年11月17~19日に開催された「Inter BEE 2009」においてセイコーエプソンが開発・製造した,高温ポリシリコンTFT液晶パネルの実演を見たときのことである。既に0.47型で800×600画素の実演を記者会見で見ていたが,先述のような思いを強くしたのが,0.6型で1024×768画素の試作品を覗いたときだった。

 仕様上の数値はそんなに差がないように思えるが,体感は違った。記憶色と言われるような彩度が豊かな画像が映し出されていたことが多少影響しているかもしれないが,大変クリアな表示だった。0.47型品は光学10倍の接眼レンズを通して非常に熱心に覗くと画素らしきものを視認できた。しかし0.6型品では,映し出される像全体が大きいためだろう,それがなかった(0.47型も0.6型も画素ピッチは同じ)。最高級一眼レフと同時に使って利害得失を見極めたくなった。

 ほぼ同じような見え方ならばミラーレスのEVF機は既存の一眼レフの地位を大いに脅かすだろう。ファインダーに写る像に,撮影条件の設定情報を適時に重ねたり,絞りや画像処理の効果を撮影前に見たりできるからだ。カメラ愛好家は,ファインダーの見え具合にうるさい。そして応分の費用をしっかりと払ってきた。もしかしたら高価な機種ほど一眼レフ・システムを捨てEVFを採用するかもしれない。これが私の率直な感想である。

 以下にデモで示されたEVFを覗いた様子を動画と写真で紹介する。デモでは小型パネルに光学10倍の接眼レンズを載せていた。その上から焦点距離を38mmほど(35mmフィルム換算)にしたソニーのDSC-WX1で撮影している。

フィールド・シーケンシャル方式ではないので,色割れ(カラー・ブレイクアップ)は皆無。

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