オリビン型のリン酸鉄リチウムを正極材としたリチウムイオン2次電池
オリビン型のリン酸鉄リチウムを正極材としたリチウムイオン2次電池
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 ソニーは,2009年11月19日に開催した記者発表会(Tech-On!の関連記事)において,リチウム(Li)イオン2次電池事業を拡大すると発表した。3年後に売り上げを現行の2倍に増やすことを目指す。ノートパソコン向けなど既存分野の売り上げを着実に伸ばしつつ,蓄電用途(バックアップ電源)や自動車向けなど新規分野への参入も視野に入れる。

 ソニーのコンスーマープロダクツ&デバイスグループプレジデントである吉岡浩氏(副社長)が明らかにした。新規参入を検討している分野としては,太陽光発電システムに適用するバックアップ電源や,自動車用2次電池など。自動車用については,既に自動車メーカーなどと技術開発や供給に関する議論を進めているようだ。さらに,同社が持つ電源技術とLiイオン2次電池を組み合わせたシステム・ソリューション的な事業についても,新たに立ち上げを狙っているという。

 同社は,2009年8月にオリビン型のリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を正極材としたLiイオン2次電池の製品化を発表している(同社のプレスリリース)。新規分野への参入では,こうした寿命や急速充電能力に優れた製品が有力な候補になると,吉岡氏は語る。

 Liイオン2次電池事業に関しては,投資も積極的に行う。新技術の開発や量産体制の確立に向け,今後数年間で約1000億円を投じる予定である。