Coporate Vice President,Developer DivisionのScott Guthrie氏
Coporate Vice President,Developer DivisionのScott Guthrie氏
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埋め込んだHTMLの画面をジグソー・パズルに分割したところ。YouTubeの動画を再生するFlashプラグインが動作した状態である。
埋め込んだHTMLの画面をジグソー・パズルに分割したところ。YouTubeの動画を再生するFlashプラグインが動作した状態である。
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Silverlightで作成した,Facebookのクライアント・ソフト。かなり高機能な仕上がりになっている。
Silverlightで作成した,Facebookのクライアント・ソフト。かなり高機能な仕上がりになっている。
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 米Microsoft Corp.が開催している「Professional Developers Conference 2009(PDC09)」2日目の基調講演におけるもう一つの目玉が,「Silverlight 4」の発表だ。「さまざまな有力なイベントの動画中継を担当することで,Silverlightの普及率は上がっている。2008年夏の時点で33%だった普及率が,現在では45%まで向上した」(Coporate Vice President,Developer DivisionのScott Guthrie氏)。

 Silverlight 4の強化点を,Guthrie氏は大きく三つに分かて説明した。(1)Media,(2)Business Application,(3)Beyond Browser,である。

 まず(1)のMediaでは,マイクおよび動画カメラへの対応や,オフライン利用時の著作権管理機能に対応させた。これにより,「Skype」のようなビデオを利用したコミュニケーション・ツールなどをSilverlightで実装できるようになる。

 (2)のBusiness Applicationとしては,印刷,HTMLファイルの埋め込み,ドラグ・アンド・ドロップ,リッチテキスト,クリップボードへの対応,マウスの右ボタンの設定,ホイールへの対応を挙げた。これまでのSilverlightが基本的に動画を視聴するためのプラットフォームとして使われていたのに対し,これからはSilverlightを使ったアプリケーション・ソフトウエアの配布を強化する狙いがある。そのためには印刷機能などは必須であり,他のアプリケーション・ソフトウエアと連携するためにはクリップボードへの対応なども必須といえる。

 この方向性をさらに推し進めた感があるのが,(3)のBeyond Browserだ。Silverlight 3からWebブラウザーの中だけで動作するのではなく,単体のアプリケーション・ソフトウエアも作成できた。Silverlight 4ではこの機能を強化し,実行できることに制約がある「Sandbox版」だけでなく,外部リソースにアクセスできる「Trusted版」も作成可能にする。

 Sandbox版でもウインドウの位置の管理機能や,OSのポップアップ機能を利用した情報の通知などの機能を強化した。Trusted版ではさらに,ローカル・ファイル・システムの操作や,Silverlightアプリケーションの送信元以外との通信,COM Automationへの対応,周辺機器へのアクセスなどが可能になる。

 Silverlight 4のベータ版は即日公開した。2010年前半に正式版を公開するというスケジュールから,2010年3月に開催される「MIX 10」でRC版が公開される可能性が高い。