President of the Server and Tools BusinessのBob Muglia氏
President of the Server and Tools BusinessのBob Muglia氏
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ワークフローのモデルを定義してサービスやシステムを作成する。
ワークフローのモデルを定義してサービスやシステムを作成する。
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 米Microsoft Corp.が開催するPDC 2009初日の基調講演における,もう一つの大きなトピックが,「クラウド時代のアプリケーション・モデル」だった。これは同社President of the Server and Tools BusinessのBob Muglia氏が発表したもの。平たく言ってしまえば,「サーバーもクラウドも同じプログラムが動作する」ようにすることである(Tech-On!関連記事)。

 具体的には両者の実行環境の違いをツールやミドルウエア群で吸収することにより,開発ツールの「Visual Studio 2010」を使って,配布先をクラウドにするか,社内のサーバーにするかを変えるだけの違いにするというものである。実際に基調講演ではDistinguished EngineerのDon Box氏とArchitectのChris Andersen氏が登壇し,掛け合いをしながらVisual Studioを操作。データベース管理ソフト「SQL Server」用の管理コンソールでデータベース・サービス「SQL Azure」にアクセスしてデータベースを作成し,実際に同じコードが両者で実行させるデモを見せた。

 またMuglia氏はサーバー版の「Windows Server AppFabric」とクラウド版の「Windows Azure platform AppFabric」を発表し,モデル・ベース開発によるシステムの共通化も示した。AppFabricは元々「Dublin」「Velocity」と呼ばれていた二つの製品(いずれも開発コード名)を統合したもの。Dublinはワークフロー制御機能や通信機能の実行を管理するサーバー・ソフトウエア。Velocityは分散メモリ・キャッシュ技術である。モデル・ベース開発はDublinが備えていたものである。個々の処理に対応したコンポーネントを利用した処理の流れを記述することで,サービスやシステムの実装が可能になるという。