表面平滑性（顕微鏡観察）
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右側：「SOフィルム」左側：ゴム配合系アクリル，SOフィルムに比べ曲げ部に白化が認められる。
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クラレは，ポリマー合成技術とアロイ化技術を用いて，白化現象を抑制したアクリル系硬質フィルム「SOフィルム」（仮称）を開発した。SOフィルムは，ポリマー合成技術とアロイ化技術を組み合わせて開発したもので，通常のゴム配合系アクリルフィルム以上に靭性や引裂き強度に優れ，高い透明度・剛性もある。加えて白化現象の抑制を図った。
SOフィルムは，高い強度と応力白化しにくいという特徴から，深絞り成型できる可能性があるという。自動車，携帯・ノートパソコンなどの電化製品，建材などの広い分野で，加飾フィルム向けの展開が期待できる。同社は，同フィルムの均質性を生かし，光学用途などへの展開も視野に入れている。
アクリルフィルムは，透明性，耐侯性，耐疵性に優れており，耐侯性強化フィルムや加飾フィルム用に年間約5000tの世界市場があるとされ，年率約5％で成長すると同社ではみている。通常のアクリルフィルムは，屈折率を制御したゴム微粒子を配合して靭性を強化している。そのために，表面に凹凸ができ透明性が低下したり，変形時や加熱時，湿熱時に白化現象が生じたりといった課題があった。軟質なゴムを配合するために剛性が低下する点も問題とされていた。同社は，2009年11月18～20日に東京ビックサイトで開催される「先端材料展2009」に同フィルムを展示する。
