図1◎日本EVフェスティバル会場の筑波サーキットと来場者の様子
図1◎日本EVフェスティバル会場の筑波サーキットと来場者の様子
[画像のクリックで拡大表示]
図2◎ダイハツの有志チームによるリチウムイオン電池搭載コンバートEV「コペンEV-R」
図2◎ダイハツの有志チームによるリチウムイオン電池搭載コンバートEV「コペンEV-R」
[画像のクリックで拡大表示]

 2009年10月の下旬から11月初めにかけて、幕張メッセで開催された第41回東京モーターショー。すでに報じられている通り、展示規模の縮小に伴って来場者数は目標の100万人を大きく下回る60万人余りにとどまり、自動車業界の直面する苦境を浮き彫りにした格好となった。一方で、国内メーカーが出展した最新の電気自動車(EV)やハイブリッド車、超低燃費車は、日本の自動車産業が誇る先進の環境技術を強く印象付けたはずである。

 主催者の日本自動車工業会や出展した自動車メーカーにとっては、次回以降のイベントを企画検討するうえで大きな課題を残した。しかし、環境対応を考慮したモビリティやクルマ離れ時代のビジネスモデルを含め、自動車産業の今後のあり方を前向きに考えるための良い契機と考える。

 一方、今後普及が期待されるEVの分野では、東京モーターショーが閉幕する直前に市民団体である「日本EVクラブ」(舘内端 代表)が茨城県の筑波サーキットで「第15回日本EVフェスティバル」を開催した(図1)。EV愛好家が中心の小規模な催し物ながら、「EV元年」らしい盛り上がりを見せた。また、同クラブは11月17日に東京-大阪間の無充電EV走行を行い、世界記録に挑戦する。

自動車メーカーの純正EV vs 市民の手作りコンバートEV

 会場となった筑波サーキットの構内では、自動車メーカー各社もEVクラブの会員達によるコンバートEV(市販車を元に改造して作る電気自動車)の列の向かいに展示スペースを設けた。各社ともEVや2次電池などの関連技術を展示。サーキットのコースを使って行われた「エコカーサーキット試乗会」では、EVやHVの試乗枠の予約が午前中にすべて埋まってしまうなど人気を博した。

 自動車メーカーの参加は、展示スペースへの出展と試乗車の提供が中心だが、社内の有志という位置づけながら、より積極的な取り組みを見せるメーカーもあった。 例えば、ダイハツは「ミゼットII」や「コペン」を改造したEVで出走した。1時間の耐久レース(後述)では、Liイオン2次電池を積んだ「コペンEV-R」が多くの周回を重ねるなど大きな存在感を示した(図2)。

(この記事の詳細はこちら