森精機製作所とソニーは2009年11月11日,ソニーの100%子会社であるソニーマニュファクチュアリングシステムズ(本社埼玉県久喜市,以下SMS)の計測機器事業などを森精機に譲渡する計画を発表した。森精機とソニーは同日,両者の意向を確認する「意向確認書」を締結。同年12月末には,法的拘束力を持つ契約を交わし,2010年3月末に事業の譲渡を実施する計画だ。

 SMSが森精機に売却するのは,主にSMSの伊勢原事業所で運営している計測機器事業と,これに関連してソニーのほかの子会社が展開する生産・販売事業。譲渡金額は60億円程度の見込みだが,今後の調査活動により,変更される可能性もある。

 森精機は現在,磁気技術を応用した計測機器(マグネスケール)を外部から調達している。今回,これを内部に取り込むことで,工作機械の精度を高めるとともに,量産によるコスト低減を図る。さらに,レーザ技術を使った計測機器(レーザスケール)の技術開発を強化することにより,工作機械への応用を進め,次世代の精密工作機械分野において優位性を高める狙いだ。

 計測機器事業の売却に伴ってSMSから分離される計測機器事業を営む法人は,2010年3月末付けで森精機の100%連結子会社となる予定。SMSは,計測機器事業の森精機への譲渡後,実装機や金型などの事業に集中する。