三菱電機,鉄道向けに電力貯蔵システムとシミュレーション技術を開発
三菱電機は,鉄道車両が減速する際の運動エネルギを電気エネルギ(回生エネルギ)として貯蔵・活用する電力貯蔵システムと,鉄道車両内と地上設備の電力貯蔵デバイスの設計を最適化するシミュレーション技術を開発した。これらにより,回生電力を有効に使用して省エネルギ化と,非常時の乗客の安全確保を図れる。
新技術のうち電力貯蔵システムは,車両にブレーキをかけたときに発生する回生エネルギの一部を,車両に搭載した2次電池と地上設備の2次電池に貯蔵し,利用するもの(図1)。これまで,電力の使い道がない状況で回生ブレーキから機械ブレーキに切り替えると,車両に衝動が発生する恐れがあった。それに対して新システムは,この衝動を抑制するので,乗客の乗り心地を高められる。このシステムについては,2009年4〜6月に小田急電鉄で実車両を使って走行試験を実施し,その性能を確認したという。
同システムでは,電化区間と非電化区間が混在する路線を走行する車両に2次電池を搭載すると,電化区間走行中に回生エネルギを蓄電池へ充電して,架線と2次電池の電力配分を最適に調整しながら走行する(図2,3)。非電化区間に入っても,2次電池の電力を使用してそのまま直通運転できる。これにより回生エネルギを有効利用できる上,これまで非電化区間で使用していたディーゼル機関よりも環境の負荷を軽減できるという。既に,東日本旅客鉄道(JR東日本)が,リチウム(Li)イオン2次電池を搭載する試験車両「NR Train」に新技術を採用し,2009年10月から試験走行を実施している(図4,Tech-On!関連記事)。
一方のシミュレーション技術は,車両と地上それぞれの電力貯蔵デバイスに最適な2次電池の容量配分や,設備の最適配置を検討するのに使うものだ。車上/地上システムを統合的にシミュレーションできる。路線や車両性能,運転条件などの条件に合った,最も効率的な電力貯蔵システムの設計・検討が可能という。












