確かに薄い。ダブルリングのノートなどよりも薄いくらいだ。
確かに薄い。ダブルリングのノートなどよりも薄いくらいだ。
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VAIO Xの電池パック。市販モデルなので,3種類あるうちLバッテリが付属する。
VAIO Xの電池パック。市販モデルなので,3種類あるうちLバッテリが付属する。
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電池パックを外したところ。
電池パックを外したところ。
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最初に起動した。AC電源につながないと起動しなかった。
最初に起動した。AC電源につながないと起動しなかった。
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 実物を手にした印象は,「確かに薄い」。ちょっと書類の間に重ねてしまえば,簡単に見分けが付かなくなるのではないかとすら思える。CEATECの会場で遠くから見たときの印象や,これまでの想像を上回って薄く感じる。

 軽さもいい。適度な広さがあるので,持った瞬間にずっしりくるような印象はない。例えば同じソニーの「VGN-UX71」は約532gで,VAIO Xの約768gより軽い。しかし文庫本くらいの大きさのためか,一瞬持った感じはあまり変わらないくらいだ。

 まず動かす前に,電池を外してみた。VAIO Xは,Liポリマ電池を採用している。パームレストの左右の下部に電池が来るように配置されている。ちょうどその間にタッチパッドがくるので,その間を避けるような配置になっている。丸形の標準的なLiイオン電池では,このような配置にはできなかったことは間違いない。

 次に電源を投入してみたが,電源がオンにならない。電池が充電されていないためかと思い,ACアダプタにつないで再度投入してみたら,今度はオンになった。後でマニュアルを見たところ,最初の電源投入時はACアダプタにつないでいないと入らないようになっていたようだ。ここでOSの初期化が始まり,ユーザー・アカウントやネットワークの設定などが始まる。こうした作業はWindows XPやWindows Vistaなどとあまり変わらない。

 設定後,いくつかプログラムを実行してみた。標準で付属するソフトウエアでは,まず気になった「Internet Explorer」。起動時に多少もたつく印象はあったが,起動後は特にストレスなく動いている。ここで動画処理能力を見るため,米Google Inc.が運営する動画共有サービス「YouTube」を視聴して,どれくらいの処理負荷になるかを見た。標準で付属する「タスクマネージャー」における「CPU使用率」を使った。動画の再生が始まってすぐは100%近くに達したが,やがて55%程度で落ち着いた形になった。比較的余力を残している格好だ。同様に「Windows Media Player」で動画ファイルを再生したところ,40~70%の使用率になった。

 また,付属の「ATOK 2009」や,インターネットからダウンロードしたエディタ「秀丸」,Webブラウザー「Chrome」などをインストールして実行させてみたが,使っている間は特に気になることはない。ただし利用中に無線LANの状況を確認しようとするなど,何か作業を切り替えるときにどうも一瞬の間があくような印象がある。常に物足りなさを感じるわけではないが,時々性能不足が顔を覗かせるといったところだ。

 例えば動画編集などをバリバリこなそうというのであれば,やはり力不足は否めない。しかしVAIO Xが主に狙っているのは,ビジネス・ユーザーが外出時に持ち歩くパソコンの市場である。その意味では,「余分はいらない。十分がほしい。」という宣伝文句通りの出来映えだと言えよう。

(3)へ続く
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