「電気自動車などの開発を支援」，数十μs周期の同期計測が可能な適合システムをETASが発売

日経エレクトロニクス

2009.10.30

ドイツETAS GmbHは，電気自動車（EV）やハイブリッド車（HEV）/プラグイン・ハイブリッド車（PHEV）の開発に向けて，自動車の電子制御ユニット（ECU）のパラメータ適合システムの技術を刷新した。EVやHEV/PHEVでは，モータやエンジン，ブレーキ，発電機などを協調制御する必要があるが，電動化に伴いその制御周期は100μs以下にまで短くなっている。同社の新しい適合システムでは，複数のECU間での計測時刻の同期精度として1μs以下，計測周期について数十μs以下を実現した。モータやインバータ，電池などのECU開発を手掛ける企業に向ける。既に国内の企業からも受注実績があるという。　ETAS社はECUのパラメータ適合ツール「INCA」を手掛けており，同分野での大手ツール・ベンダーである。今回，刷新したのはソフトウエア・ツールの「INCA」ではなく，ECUにアドオンするハードウエアの計測モジュールである。従来の「ETK」と呼ぶ計測モジュールでは標本化周期が500μsであったため，エンジン用ECUなどでは十分な周期であったものの，より短い制御周期が要求されるモータ用ECUなどでは不足があった。新しい「XETK」と呼ぶ計測モジュールを用いれば，最小で10μsの標本化周期でECU上のパラメータを計測できるようになる。