アイシン精機は東京モーターショーで、EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)のブレーキ向けとして電動負圧ポンプを参考出展した。これまでは、エンジンの駆動力で負圧を発生させて、ブレーキの油圧を高めていた。一方で、EVはエンジンを搭載しないほか、HEVではエンジンを停止させてモータ走行しているときにブレーキの油圧を高める必要があるため、電動ポンプなどの装置が必要になる。EVやHEVだけでなく、通常のガソリン車に装着しても、負圧発生分のエネルギ損失を補う効果があり、排気量2.0Lの車両で燃費を0.6%向上できるという。
同社は既に、エアサスペンション向けに空気量を調整する電動ポンプを実用化しており、今回はこの技術と実績を生かして開発した。
電動ポンプは、ECU(電子制御ユニット)とピストン、モータで構成する。電動ポンプの最下部にあるモータが回転すると、その上にあるピストンが直線状に動き、その動きで電動ポンプにつながったブレーキブースタ内の空気を取り込み、ポンプの外に送り出し、ブレーキブースタ内を負圧にする。モータはブラシ付きタイプで出力は70W。発生させる負圧は-90kPa。ブレーキペダルの踏み込みと同時に電動ポンプが作動する。電動ポンプの質量は1200g。