小糸製作所は,自動車のヘッドランプの光の方向や照射方向などを細かに自動制御できる新しい技術を披露した。例えば,高速移動した際には,ロービームをより遠方に照射させる。ハイビームの場合は,光の照射領域を2分割して制御し,一方の照射方向を変えて前方車両の運転者に眩しさを感じさせない,といった使い方を想定する。 今回の開発技術を,運転者の視認性を高めつつ,前方車両や対向車両の運転に邪魔にならないようにするために利用する。同種の技術として,ヘッドランプの光を制御する「AFS(Adaptive Front-Lighting System)」が既に実用化されている。しかし,「AFSで制御できるのはロービームだけ。しかも法規制のために,上下左右わずかの角度しか動かすことができない」(説明員)。今後は,運転者の視認性を高めて安全性を高めるために,ハイビームを制御する要求も増えるとみている。ただし,ハイビームは運転者の視認性を高める一方,前方車両や対向車両の運転者にとってはまぶしく,視認性を低下させる場合もある。そこで,今回のヘッドランプ光の制御技術を開発した。
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