図1 HCFLをバックライト光源に用いた32型の液晶ディスプレイ
図1 HCFLをバックライト光源に用いた32型の液晶ディスプレイ
[画像のクリックで拡大表示]
図2 カメラ搭載の42型PDP。直視しているところ
図2 カメラ搭載の42型PDP。直視しているところ
[画像のクリックで拡大表示]
図2 カメラ搭載の42型PDP。よそ見をしているところ
図2 カメラ搭載の42型PDP。よそ見をしているところ
[画像のクリックで拡大表示]
図4 LEDバックライト品(右)とCCFLバックライト品(左)の比較
図4 LEDバックライト品(右)とCCFLバックライト品(左)の比較
[画像のクリックで拡大表示]

 日立製作所は,2009年10月6~10日に幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2009」において,省エネルギー機能を搭載した液晶ディスプレイとPDPテレビの試作機を参考出展した。バックライト光源に「HCFL(hot cathode fluorescent lamp)」を採用した液晶ディスプレイと,視聴者がよそ見をすると映像のオン/オフを制御する機能を備えたPDPテレビの2種類。共に実用化の時期は「未定」(同社の説明員)という。同様の機能は,ソニーが2009年1月に「BRAVIA ECO HDTV」として製品化済みである(Tech-On!の関連記事1Tech-On!の関連記事2)。日立製作所もエコ技術の開発に力を入れているようだ。

32型でHCFLは2本

 HCFLをバックライト光源に搭載する液晶パネルは,画面寸法が32型。一般的なバックライト光源であるCCFL(cold cathode fluorescent lamp)に比べて発光効率が高いHCFLを使うことで,消費電力は40W以下(デモでは31.2W)を実現した。HCFLの直径は15.5mmで本数は2本。日立ライティングと日立メディアエレクトロニクス,日立アドバンストデジタルと共同で開発したという。

 IPS(In Plane Switching)方式の液晶パネルを採用する。画素数は1366×768で,明るさは310~350cd/m2。駆動周波数は60Hz。試作機の外形寸法は,814mm×538mm×100mm。

カメラによる顔検出機能を利用

 映像のオン/オフを制御する機能を備えたPDPテレビは,量産中の42型品(型番は「P-42-XP03」)の上部にカメラを搭載する。カメラの顔認識機能を使って,視聴者が画面を注視しているか,よそ見をしているか判断する。よそ見をしていると判断した場合,「ただいま省エネです」の文字だけが表示され,その他の部分の表示がオフとなる。画面の切り替え時間は最短3秒であり,変更も可能という。音声はそのまま出力される。なお,ソニーの「BRAVIA ECO HDTV」では,赤外線センサを用いて人の動きを検知する。

 このほか,日立製作所はバックライト光源にLEDを採用した液晶テレビも出展している。画面寸法は42型で,画素数は1920×1080。「明るさは一般的なCCFLバックライト品と同等で,消費電力は1/2程度」(同社の説明員)という。入力信号に対する部分制御(ローカル・ディミング)を施している。ただし,LEDの個数や種類(白色/RGB)に加えて,配置場所(直下/エッジ)についても「回答できない」(同)とする。同社は2010年の製品化を目指すとしている。