米国で販売しているKindle 2。6型の電子ペーパーを搭載する。
米国で販売しているKindle 2。6型の電子ペーパーを搭載する。
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 米Amazon.com,Incは,日本を含む世界100カ国以上で電子書籍端末「Kindle 2」を発売する。2009年10月7日に予約販売を始め,同年10月19日から発送を開始する。価格は279米ドル。これまでKindleシリーズは,米国のみでの販売だった。

 Kindleシリーズの大きな特徴は,端末に内蔵する3G無線通信機能を利用してコンテンツを簡単にダウンロードできることであり,毎月の通信料などを支払う必要がない点にある。この特徴は,今回の日本を含む世界展開においても踏襲される。

 無線通信には,米AT&Tの3Gネットワークのローミング提携先の回線を利用することで,日本を含む各国での利用に対応させるという。これまで米国で展開していたKindleシリーズの無線通信には,米Sprint Nextel社の3Gネットワークを利用していた。すなわち今回の世界展開では,利用する3Gネットワークが米国仕様と異なることになる。

 ダウンロードできるコンテンツは,当面,これまで米国でダウンロードが可能だったコンテンツと同じになるようだ。つまり,英語の電子書籍コンテンツを米国以外で読みたいユーザーを対象とする。ただし,コンテンツの価格は,米国でダウンロードする場合よりも「若干割高になる」(アマゾン ジャパン 広報部)という。ローミングなどに掛かる通信コストを,コンテンツの価格に転嫁させるためと推測できる。

 今後,日本語など各国の言語に対応したコンテンツを用意する可能性については「未定」(アマゾン ジャパン 広報部)とした。ただし,今回の取り組みによって米国以外でも端末が普及する状況が生まれれば,各国の出版社/新聞社などのコンテンツ・プロバイダーがKindleにコンテンツを提供したいという向きも出てくることが予想される。日本語の電子書籍コンテンツがKindleで読めるようになる状況が生まれる可能性は十分にありそうだ。