図1 KDDIが出展したTransferJet対応携帯電話機。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが試作した。電池パックのフタ部分にTransferJetの通信モジュールが組み込まれている
図1 KDDIが出展したTransferJet対応携帯電話機。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが試作した。電池パックのフタ部分にTransferJetの通信モジュールが組み込まれている
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図2 ポスターに携帯電話機をタッチすると動画が伝送されるデモを見せた
図2 ポスターに携帯電話機をタッチすると動画が伝送されるデモを見せた
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図3 KDDIが想定するTransferJetの利用シーン
図3 KDDIが想定するTransferJetの利用シーン
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図4 東芝は「T-01A」と同じ筐体のスマートフォンからパソコンにTransferJetで静止画を伝送するデモを見せた
図4 東芝は「T-01A」と同じ筐体のスマートフォンからパソコンにTransferJetで静止画を伝送するデモを見せた
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 KDDIは,近接無線規格である「TransferJet」に対応する携帯電話機を「CEATEC JAPAN 2009」(2009年10月6~10日,幕張メッセ)に出展した。同社は,街角に張ってあるポスターに携帯電話機をかざすと,TransferJetを用いて短時間で動画が伝送されるという用途を想定したデモを見せた(図1図2)。「最大で560Mビット/秒という高いデータ伝送速度(実効スループットは375Mビット/秒)がTransferJetの魅力」(KDDIの説明員)とする。

 今回のデモは,映画のポスターの裏側にTransferJetの通信モジュールを設置しておき,そこに対応携帯電話機をタッチすると映画の予告映像が携帯電話機にダウンロードされるというものである。タッチした後の,携帯電話機のTransferJet用受信アプリの起動,動画ファイルの伝送,動画の再生といった一連の処理を自動で連続的に行うようにした。デモでは,受信アプリが起動した後に,1Mバイト強の動画ファイルを瞬時にダウンロードできる様子が確認できた。KDDIはこうした用途のほか,ケータイとパソコンおよび家電との間のデータ伝送にもTransferJetを利用できるとしている(図3)。

 デモに用いた携帯電話機は,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが試作したもの。「Cyber-shotケータイ S001」の電池パックのフタ部分にTransferJetの通信モジュールを追加していた。

 CEATEC JAPAN 2009には,東芝もTransferJet対応のスマートフォンを出展した。NTTドコモが販売する「T-01A」と同じ筐体のスマートフォンにTransferJetの通信モジュールを内蔵し,TransferJet対応パソコンに静止画ファイルを伝送する様子を見せていた(図4)。


<お知らせ>日経エレクトロニクスは,TransferJetなど最新のデジタル・インタフェースの動向をまとめた別冊「次世代インタフェース 2010」を発行します。TransferJetに関しては,主導企業であるソニーが規格内容や要素技術を詳しく解説したオリジナル寄稿を掲載しました。デジタル・インタフェースの最新動向にご興味のある皆様に,資料としてご活用いただきやすいように,項目別にまとめてあります。また,弊誌がCEATECの10周年記念として開催する「NEテクノロジー・シンポジウム2009 @CEATEC 」で,TransferJetに関する技術セッションを開催します。プログラムの詳細はこちら