図◎欧州自動車メーカーの電動車両の販売計画(出所:各種報道資料よりテクノアソシエーツが作成)
図◎欧州自動車メーカーの電動車両の販売計画(出所:各種報道資料よりテクノアソシエーツが作成)
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 欧州の自動車メーカーが、電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HEV)など電動車両の開発を加速している。これまで、環境対応車はクリーンディーゼルに重きを置いていた欧州メーカーが、ここにきて商品戦略の中心をHEV・EVにシフトする。

 背景には、EUのCO2排出量規制の強化がある。EUは、EU域内で新しく販売される乗用車について、2015年までに走行距離1km当りのCO2排出量を平均で120g以下に抑える。規制値を達成できなかったメーカーには、課徴金が課される。さらに2020年までには、新車の平均CO2排出量95g/km以下を目指す。EUで販売された乗用車の平均CO2排出量の実績は、2006年に160g/kmであった。今後、これだけの燃費を向上するためにはディーゼルでは不足。EV・HEVなどパワートレーンの電動化が欠かせない。

各社、2015年までにEVを投入


 ドイツBMW社は、2008年末より欧米で既に2人乗りのEVの試験販売を開始し、2010年にはセダンのHEVを発売する。ドイツDaimler社は、2009年6月からHEVの販売を開始、年末には2人乗りのEVのリース販売を欧米で始める。ドイツVolkswagen社は2010年にSUVのHEVを発売する。

 フランス勢も負けてはいない。PSA Peugeot Citroenグループは2010年に三菱自動車の「i-MiEV」をベースとしたEVを発売、2011年には新規開発するディーゼルHEVを投入する。ルノーは2011年に、セダン、商用車、2人乗りと3種類のEVを発売、EVで一気に勝負をかける。欧州の主要自動車メーカーは、今後2年以内にHEVまたはEVがラインアップを加え、さらに2015年までには各社がEVを発売することになる(図)。

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