三菱化学は2009年9月28日,タイにおける植物を原料とする生分解性樹脂の共同事業化に関し,同月25日にタイPTT社と基本合意書を締結したと発表した。

 三菱化学は,親会社である三菱ケミカルホールディングスの中核事業会社の一つとして,植物などを原料とする樹脂の研究開発を進めている。同社は現在,石油由来のコハク酸を原料として,生分解性樹脂「GS Pla」を日本国内で製造し,欧米をはじめとする世界各国で販売している。加えて,植物由来のコハク酸(以下「バイオコハク酸」)の製造にも取り組んでおり,植物を原料とするGS Plaの事業化を検討していた。

 一方のPTT社は,天然ガス田の開発や石油の精製,石油化学事業をタイ国内外で展開する。現在,タイが国家政策として拡大している,バイオ燃料やバイオポリマーといったバイオ関連事業にも力を入れている。

 今後,植物を原料とするプラスチックの需要は増大する見込み。そのため両社は今回,GS Plaとその原料となるバイオコハク酸の共同事業化の検討を開始した。具体的には,共同で市場調査を実施。さらに,将来に共同で事業を展開するための詳細事業化調査についても,2010年6月を目標として実施する。その結果を基に,共同事業化の詳細について協議・検討する計画だ。