米Applied Micro Circuits Corp.(AMCC)と台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)は共同で,AMCCのPowerアーキテクチャ製品を,まずTSMCの90nmプロセスで製造を行い,将来的には65nmプロセス及び40nmプロセスに移行させることを明らかにした(PDFの発表資料)。

 今回の発表では,現在AMCCがIBMのSOIプロセスに製造委託している製品が対象となる。最初に対象となるのは,1.5GHzで駆動されるPowerアーキテクチャの「APM83290」プロセサで,これをTSMCの90nmバルクプロセスに移行する。AMCCのAssociate Vice President of Strategic MarketingであるRobert Fanfelle氏によれば,「TSMCとの協業は,これまでSOIテクノロジで製造してきたプロセサではカバーできない多くの低価格アプリケーション向けの分野に製品提供できるという観点から,Powerアーキテクチャにとっての新しいマイルストーンになるだろう」と述べた。またTSMC North AmericaのVice President of Business DevelopmentであるPan-Wei Lai氏は「AMCCとの協業は,両社に新しいイノベーションを起こす,非常に価値のあるものになる。Powerアーキテクチャは極めて多用途に利用され,非常に幅広い組み込みアプリケーションに利用されており,AMCCの新プロセサデザインの計画は,TSMCの新テクノロジープラットフォーム上で両社の更なる発展を約束するものだ」と述べている。

 両社は長期にわたる戦略的提携を結ぶ事を発表しており,ここにはTSMCのバルクプロセス上でPowerアーキテクチャの組み込み向けプロセサを開発するほか,TSMCの高性能ローパワープロセスを使い,AMCCの省電力製品の能力を引き上げることも含まれる。