図1 NECエレクトロニクスが見せた,USB 3.0のホスト・コントローラICのデモ
図1 NECエレクトロニクスが見せた,USB 3.0のホスト・コントローラICのデモ
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図2 USB 2.0インタフェースでデータを書き込む場合に比べ,USB 3.0では書き込み時間が1/10程度だった
図2 USB 2.0インタフェースでデータを書き込む場合に比べ,USB 3.0では書き込み時間が1/10程度だった
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図3 LucidPORT社のICを利用したUSB 3.0対応ストレージ機器の試作品
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 NECエレクトロニクスは, USB 3.0(SuperSpeed USB)対応のホスト・コントローラIC「μPD720200」を「Intel Developer Forum 2009」(2009年9月22~24日,米国サンフランシスコ)に出展した。μPD720200は2009年9月21日に,USB Implementers Forum(USB-IF)から世界で初めてUSB 3.0の認証を取得した製品である(PDF形式の発表資料)。「今回認証を受けたことで,早ければ2009年内にUSB 3.0対応の最終製品が登場するというスケジュールが現実味を帯びてきた」(NECエレクトロニクス)。

 μPD720200は,PCI Express Gen 2インタフェース回路を1チャネル備えたもので,2基のUSB 3.0ポートを制御できる。2基のUSBポートは,USB 2.0規格にも対応する。現在動作させているのは試作品の第3版で,この仕様で量産に移行するという。NECエレクトロニクスは今回のIDF2009において,μPD720200を搭載した拡張カードをパソコンに挿入し,外部のUSB 3.0対応ストレージにデータを書き込むデモを見せた(図1)。

 具体的には,USB 3.0インタフェースで接続したIntel製のSSDと,USB 2.0インタフェースで接続したフラッシュ・メモリに,パソコンから同じデータ(500Mバイトのファイル)を書き込み,その時間を比較した。USB 2.0で接続したフラッシュ・メモリへの書き込みが39.9秒かかるところ,USB 3.0で接続したSSDへの書き込み時間は4.2秒だった(図2)。ストレージ・デバイス側のコントローラとしては,米LucidPORT社の「USB300」を利用した。USB 3.0とSerial ATAのブリッジICであるUSB300を利用することで,USB 3.0インタフェースから受信した書き込み用のデータを,Serial ATAインタフェースを通じてSSDに書き込んでいた。LucidPORT社によれば,既に台湾Good Way Technology社や中国Netac Technology社などがUSB300を搭載した外部ストレージ機器を開発する予定であるという(図3)。

 USB-IFは,今回のNECエレクトロニクス製ホスト・コントローラICの認証をはじめとして,周辺機器用コントローラICなどの認証も進めていく計画である。


(日経エレクトロニクスは,USB 3.0やHDMI 1.4など,最新のデジタル・インタフェースの動向をまとめた別冊「 次世代インタフェース 2010」を発行します。デジタル・インタフェースの最新動向にご興味のある皆様に向けて企画しました。是非,同分野の情報収集にご活用いただきたいと思っております。また,弊誌がCEATECの10周年記念として開催する「 NEテクノロジー・シンポジウム2009 @CEATEC 」のセミナー「HDMIとUSB 3.0」で,USB-IF議長であるJeff Ravencraft氏が,USB 3.0の最新動向について解説します)