図1 電源モジュールを上から撮影した。
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図2 電源モジュールの背面。左側に吸気孔がある。
図2 電源モジュールの背面。左側に吸気孔がある。
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図3 電源基板
図3 電源基板
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図4 電源モジュールの側面
図4 電源モジュールの側面
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図5 電源基板に実装された放熱フィン。上面が下向きに曲がっている。
図5 電源基板に実装された放熱フィン。上面が下向きに曲がっている。
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 新型PS3の分解はまだ序盤だ。今度は,本体から取り外した電源モジュールの分解を試みる(分解その5)。電源モジュールは,内部構造の変化に伴い,細長い形状をしている(図1,2)。従来機種では,上から眺めると,正方形に近い形状をしていた。

 分解を試みるが,なかなかモジュール筐体が開かない。接着剤などで接続されているわけではないのだが,上部と下部の筐体がしっかりとくっついて離れない。そこで,わずかに出来た隙間にマイナス・ドライバーの先端を入れてこじ開ける。開かれると,台湾Delta Electronics社のマークが記載された電源基板が出てきた(図3)。

 「おおー,おもしろいですね」。分解された電源を手に取り,しばらく眺めていた電源系の技術者が小さく叫ぶ。電源回路にその特徴があるのかと思い,たずねると,
「この放熱フィンの形状ですよ」
と指差す。

 モジュール筐体は横から眺めると,上部は曲がっているのがわかる(図4)。その曲がりに合わせて,放熱フィンの上部も曲がっているのである(図5)。筐体デザインを電源部分にまで反映させるなど,そのデザインへのこだわりが見える。

 新型PS3の仕様上の消費電力は約250W。この消費電力に対して,今回の電源モジュールの大きさは,「やろうと思えばできるサイズ」(前出の電源系技術者)だという。

 残るBlu-ray Disc装置やメイン基板への分解に着手する。

―― 次回へ続く ――