図1 取り出したHDDは米Hitachi Global Storage Technologies, Inc.(HGST社)製だった
図1 取り出したHDDは米Hitachi Global Storage Technologies, Inc.(HGST社)製だった
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図2 本体手前左側がファン,ヒートシンク,ダクトを一体化した冷却構造部分。奥にあるのが電源モジュール。手前右側はBlu-ray Disc装置
図2 本体手前左側がファン,ヒートシンク,ダクトを一体化した冷却構造部分。奥にあるのが電源モジュール。手前右側はBlu-ray Disc装置
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図3 隙間を縫うように配置されたケーブルの先端には板金が付いている
図3 隙間を縫うように配置されたケーブルの先端には板金が付いている
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 いよいよ新型PS3(型番:CECH-2000A)の分解を始めた(分解その3)。まずはHDDを取り出す。表面に張られたシールから米Hitachi Global Storage Technologies, Inc.(HGST社)製と分かる(図1)。続いて筐体上面と裏面のビスを取り外していく。従来機種のような,半透明な光沢のあるカバーはない。この辺りからも新型PS3における低コスト設計が垣間見える。

 「従来機と比べてずいぶんとシンプルになっている」。上側の筐体を外し,内部を見た技術者がつぶやいた。確かに,冷却機構とBlu-ray Disc(BD)装置,電源モジュールがきれいに並べられている(図2)。従来機種では,冷却モジュールは筐体の下側に配置されており,その上にメイン基板,さらにその上にBD装置と電源モジュールなどを載せるサンドイッチ型の構成だった。新型では冷却モジュールの小型化に伴い,BD装置と冷却モジュール,電源モジュールを並べている。おそらくこの下にメイン基板があるのだろう。こうした構成は薄型化や組み立て工数の削減につながってると思われる。

 整然と配置された内部構造の中で,目に留まるのが,電源モジュール下から出ている細いケーブルである。冷却機構とBlu-ray Disc装置の間に配置されている(図3)。ケーブルの先には特殊な形状をした板金がつながっている。「アンテナのようだ」(ある技術者)。他のモジュールの整然とした配置に比べると,少ないスペースに無理に置いたようにも見える。

 メイン基板を拝むため,冷却モジュールとBD装置,電源モジュールを取り外す。

―― 次回へ続く ――