図◎いすゞ自動車による電動バスのデザイン検討事例
図◎いすゞ自動車による電動バスのデザイン検討事例
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 電気自動車(EV)の話題では、小型の乗用車の開発と商品化が注目されている。そんな中、最近にわかに注目を集め始めたのが、公共交通機関であるバスやタクシーへのEV導入だ。中国のように、電動バスが実証試験から実用化の段階に入っている国もある。

8月の初め、神奈川県と慶應義塾大学、いすゞ自動車が、電動バスの普及モデル策定とシステム化を目指した実証研究を共同で行うことを発表した(図)。さらに8月下旬になると、三菱ふそうトラック・バスと三菱重工が電気バスを共同開発、この市場への新規参入を決めたことが報じられた。リチウムイオン2次電池は、東芝と三菱重工がそれぞれ供給する見込みである。

 私たちの生活の足とも言えるバスが電動になることには、CO2の排出量が削減され、地球温暖化の軽減に役立つという大義名分がある。ただ、それだけでは、それら車両のEV化のコストや経済性を考えると高くついて割りに合わないのではと感じる人も多いかもしれない。そこで、バスのEV化がもたらす利用シーンから私たちの生活や社会がどう変化するかを一度考えてみたい。

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