三菱自動車は、世界に先駆けてこの7月から法人向けに電気自動車の納入を始めた。40年の開発の歴史があり、満を持して電気自動車の世に送り出した同社でマーケティングを担当する堤健一氏に、電気自動車にかける思いを聞いた。

世界に先駆けて電気自動車の本格的な生産を始めましたね。

 われわれの中では電気自動車を早く世に出したいという思いがあり、それがたまたま世界的に見ても早かったということです。電気自動車は自動車メーカーとして地球温暖化対策に貢献できる究極のエコ・カーと言えます。しかも電気自動車であれば、われわれは40年の開発の歴史があり、世界で競争力を発揮できます。

電気自動車の仕様を決める上で取捨選択があったと思いますが。

 何かを犠牲にしたという意識はありません。既存のガソリン車をベースに作ろうとさまざまな試作を重ねましたが、最も頭を悩ませたのが蓄電池の置き場でした。車の大きさに応じて動力性能、航続距離を考えると、蓄電池をどれだけ積まなければならないかを計算できます。検討の結果、1500ccクラスや2000ccクラスではなく軽クラスが車の大きさの割には電池のスペースを広く取れることが分かりました。蓄電池の置き場所が車のバランスにも影響しますが、それも軽クラスだとうまくいきます。シートや荷物のスペースも十分確保でき、条件のそろった良い車が作れそうだということになりました。あえて欠点を言えば、重量が200kg増えてしまったことぐらいです。

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