プロジェクトに割り当てられた人数
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「アニム」の基本構成
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デザイナー中心の開発プロセスによる成果
デザイナー中心の開発プロセスによる成果
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 サイバーコネクトツーは「CESA Developers Conference 2009(CEDEC 2009)」の「プログラマー10名でのPS3タイトル開発」というセッションで,同社の開発プロセスについて解説した。同社は全社員数98人のうち,プログラマは20名しかいない。このため,10名という数字は多いとも少ないとも感じていない。「プロジェクトに割ける人数に合わせると,自動的に10名が割り当てられた」(リードプログラマーの曽我典亮氏)。

 逆に同社では,デザイナー(同社ではアーティストと呼んでいる)が55名を占めている。このため,前世代のプレイステーション2向けの開発プロセスから「アーティスト・ドリブンの開発プロセスを採っていた。開発の対象がPS3に変わっても,基本的に同じ開発プロセスを踏襲できるようにした」(曽我氏)。

 具体的にはデザイナーがデジタル・コンテンツ作成ツールを通じて作成したシーンや動きに,自動的にモデル・データと結びつけてアニメーションをそのまま実機で再生できる仕組みを用意した。「アニム」と呼ぶ。一つのアニムの中に任意のオブジェクトを追加したり,複数のモデルを呼び出したりできる。カメラや光源などの指定も可能である。またシーンで利用するデータやリソースの管理をデザイナーに任せている。

 こうすることで,プログラマとデザイナーがそれぞれやるべき作業に集中できるようになったという。ただ一方でアニムを実現する仕組みが複雑になりすぎ,PS3においては実行効率も下がった面もあるとした。今後はアニムを軽量化することや,ビジュアル・プログラミング・ツールの導入などを検討している。