最初の目標。まずこのレベルでコンセプトを検証する
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グラフィックス表示にしてアニメーションを追加
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 「CESA Developers Conference 2009(CEDEC 2009)」では,「ゲームプログラミングの始め方」というチュートリアル・セッションが設けられた。登壇したのはセガ AM R&D2の平山尚氏。同氏は2008年11月に発行された「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」という書籍の著者。この書籍は872ページにおよぶ大作で,平山氏はこの書籍を通じてCEDEC 2009の著述賞も受賞した。

 チュートリアルの内容は,実際にゲーム・プログラムを作成する過程を追いかけていくというもの。書籍では「倉庫番」に似たゲームを最初の題材に用いたが,このセッションでは「テトリス」に似たゲームを作る過程を紹介した。このような手法を採用したのは,「ゲーム開発が複雑になりすぎ,ゲーム開発に携わっている人でもその実感が得られない。一つのゲームを自分の手で作り上げることによって,ゲームを作ったという実感が得られるようになる」(平山氏)からだという。

 セッションではテキストの文字を使って基本的なロジックを完成させ,さらにグラフィックス描画やシーンの管理,アニメーションなどを付け加える形で説明していった。「開発の現場では,サード・パーティのツールなどを使うことも多く,一から開発をすることはない。その意味でこうした方法は“車輪の再発明”かもしれない。だが,ゲームを開発している実感が得られることや,ゲーム開発の全体像を把握できるという意味では,車輪の再発明も悪くない」(平山氏)。