シャープの亀山第1工場
シャープの亀山第1工場
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 シャープは2009年8月31日,中国南京市と中国Nanjing China Electronics Panda Group Corp.(CEC Panda社)が設立した液晶事業会社から,第6世代のガラス基板を使用する液晶パネル生産プロジェクトを受注し,契約書に調印したと発表した(ニュース・リリース)。シャープは液晶事業会社に,液晶パネル生産技術とノウハウを提供するほか,第6世代基板に対応した亀山第1工場の生産ラインを売却する。同社は2009年4月に亀山第1工場の生産ラインを中国に売却する意向を示していた(Tech-On!の関連記事)。

 今回の発表に合わせて,シャープは南京市と中国China Electronics Corp.(CEC社)とともに,第8世代のガラス基板を使用する液晶パネル生産の合弁事業についても協議を進めていく。シャープはさらに,これらの液晶パネル生産プロジェクトに合わせて,液晶パネルから液晶テレビに至るまでの設計開発を手掛ける「液晶設計開発センター」を2010年4月に南京市に設立する予定とする。

 シャープは南京市で,2001年から液晶テレビの組み立て生産を,2006年から液晶パネル・モジュールから液晶テレビまでの一貫生産を手掛けている。今回の発表により,中国での設計から液晶テレビの組み立てまでの垂直統合体制を構築する計画である。

具体的な内容は以下の通り

<第6世代の液晶パネル生産に関する契約内容>
契約者:シャープ,Nanjing CEC-PANDA LCD Technology Co., Ltd
契約内容:第6世代の液晶パネル生産技術の供与や亀山第1工場の液晶ラインの売却を含む生産立ち上げプロジェクトの受注
建設予定地:江蘇省南京市
生産品目:液晶パネルと液晶パネル・モジュール
生産能力:月8万枚(稼動当初は月6万枚)
着工時期:2009年11月(予定)
稼動時期:2011年3月まで(予定)

<第8世代の液晶パネル生産に関する確認内容>
確認者:シャープ,南京市,China Electronics Corp.
確認内容:第8世代の液晶パネル生産の合弁事業
工場建設予定地:江蘇省南京市
生産品目:液晶パネルと液晶パネル・モジュール
稼動時期:未定

<シャープ開発センターの概要>
運営者:シャープ(100%出資)
目的:液晶パネル,液晶パネル・モジュール,液晶テレビの設計開発
建設予定地:江蘇省南京市
設立時期:2010年4月(予定)

■変更履歴
掲載当初,第8世代液晶ラインでの協議相手をCEC Panda社としていましたが,China Electronics Corp.の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。